こんにちはTHEODERの四宮です。
定期的連載のヘアカラーQ&Aのコーナーです。
春なので外部講習の仕事のご依頼が多く、最近は月に3~4回ペース外部講習で活動しています。
もしブログを見て下さっている方がいましたら気軽にお声がけして頂けると嬉しいです。
そんな講習などで最近1番多く頂くご質問が、
根元や全体が暗くてその中に白っぽいハイライトやヘアカラーはどうすれば?
と言う質問をよく頂きます。これに悩まれている美容師さんは今多いようです。
(僕自身もそういったデザインが出始めた時はかなり色々と模索しました。)
インスタなどで白っぽいヘアカラーの写真を持って来られたお客様にどの様な施術のプロセスや薬剤選定でやったら良いんだろう?
そもそも一回のブリーチじゃそこまで明るくできない…
と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
ワンメイクのホワイトブリーチも難しいヘアカラーですが、
今回はそんな今難しいヘアカラーデザインの白っぽいハイライトやヘアカラーのポイントを説明していきます。
一度のブリーチハイライトで17〜18レベルまで明るくする方法
実際この写真の様に一度のブリーチで白っぽいハイライトを作る事は可能です。
ただどこまでリフトできるかはデザインの種類や髪質にも左右されます。
ではその条件のポイントをまとめていきます。
- 細めのチップやピッチの深さのハイライト。
- カラー残留などがない
- 元々のベースが少し明るい方が有利
- リフトしやすい髪質とメラニンタイプ
などが条件になります。
太いハイライトなどは細かくホイルを分けるか、2回ハイライトをブリーチ塗布する必要があります。
(最近のバレイアージュデザインなどは表面のハイライトが太めの物も多く、そうなると難易度やリフトしやすい素材が求められます。)
あと当然ながらメラニンタイプが青メラニンなどの髪質や太い髪質の方はリフトしにくいので一度のブリーチでは限界があります。
その場合も同じ場所にブリーチを二回か、熱やブリーチのオキシや種類で調整します。
ブリーチは基本的に明るくリフトしやすい条件として、
- 塗布量を多くする
- リフトがしやすいタイプのブリーチを使う
- 放置時間をしっかりと置く
- 熱を当てる
- ホイルなどリフトしやすいサポートツールを使う
この4点が重要になります。
放置時間もホイルの間塗りでしたら30分以上の放置時間になりますのでリフトしやすいです。
放置時間も間塗りの場合は60〜90分も想定して時間を置き明るくします。
(当然ながらそれ程の放置時間は髪に負担がかかりますので、ケアブリーチなどのプレックス系の処理剤や髪のダメージレベルも重要です。)
ちなみにワンメイクの場合僕は30分放置で固定をサロンではベーシックにしています。
これは経験に左右されず失敗が少なくオーバータイムとしっかりと明度を上げやすい放置時間だからです。
熱も頭皮への刺激がありますので全体塗りでのブリーチには使用しません。
(それ位1度の30分ブリーチ以上の放置は経験が求められます。)
髪の素材が壊れてしまっては本末転倒ですので処理剤などを使いながらダメージを減らしたり、
塗布などに時間がかかりオーバータイムなどになりやすいケースではブリーチの種類やオキシをコントロールします。
基本ダメージコントロールと素材の見極めが重要なデザインですのでむやみに時間を置いて明るくするのは危険ですので、
ある程度経験が必要なデザインだと思います。
基本同じ場所にブリーチを2回塗布するハイライトは難易度が高く時間がかかる
先ほどの説明の様に1回のブリーチで希望の明度まで持って行けないバレイアージュやハイライトデザインはプロセスが増えます。
これは日本のオキシが6%までの薬事法ですので海外のブリーチデザインのプロセスやテクニックでは表現が難しい部分です。
(海外のオキシでは1度のブリーチでのリフトが強いので、ハイライトが太かろうがバレイアージュで再塗布が出来なくても1度で十分明るくなるからです。)
その為日本のブリーチで表現するのは当然ブリーチを2回塗布する必要性やテクニックを工夫する必要があります。
(髪質が黒髪であることも難しい原因です。僕の海外のお客様でもやはり6%でもリフトの明度は完全に明るくなりやすいです。)
その為1度で17~18レベルの明度までリフトできないデザインや髪質は、
2回塗布するプロセスを考えないといけないのですがそれが格段に難しいテクニックになります。
- ハイライトを2回ブリーチする事で間塗りのタイミングやベースとの放置時間の計算。
- 根元に液漏れやオーバーラップなどの境目の明度が15LVで止まった部分のオンカラーの処理
- バレイアージュでは同じ境目に塗布すること自体がS級の難易度で施術者の力量を選ぶ
この様に同じ場所に全体のブリーチ塗布ではなくデザインで部分的にブリーチを再塗布する事は時間と難易度が難しいです。
その為1度の来店でブリーチデザインを完成させるのではなく、2~3回かけて徐々にハイライトを明るくしたり毛先の明るさを作る事も必要です。
根元が暗いヘアカラーは基本間塗り。もしくはそこまで暗くない場合は先にベースを作ってからのバレイアージュなど
そしてもう一つこういったヘアカラーの難易度を上げているのが根元のベースの明度の暗さです。
根元が暗いのが地毛で伸びている場合は簡単なのですが、
元々のベースが明るい状態で根元を暗くしながらハイライトや毛先を明るくする場合は一気に難しくなります。
(いわゆる逆バレイアージュと言われるヘアカラーです。)
根元が暗いので間塗りか先に根元を暗くしてからハイライトやバレイアージュか、
根元を暗くするのと毛先のブリーチを同士に行います。
ベースの薬剤を流す際にもハイライトに色が入らないようにする必要があるのと、
(ちなみに寒色系では先シャンプーしたり流した後でもハイライトに色が入るケースも少なくありません、)
ですのでベースの薬剤もどうするかも気を使います。基本寒色系はあまり選択せずグレージュなどを表現する必要があります。
照明の光で白っぽく見せすぎてそれ無理やん問題
一概に全てではないですが、元々のブリーチ履歴やハイライトがあるからできるデザインや、
光や照明で明るく白っぽいハイライトになって見える写真も多いです。
(一概に全てのヘアカラーでは無いのですが、履歴があるからできるデザインや髪質を選ぶヘアカラー。加工や光で明るく見せてお客様に誤解を与えてしまうヘアカラー等。本当にヘアカラーが上手で表現できている美容師さんも沢山います。)
正直カメラの性能が良くなってアイフォンでも良く見えますし。色味がちゃんと写真で映る事は良い事なのですが、
少し前に合ったコテ巻きなのにパーマってメニューに書いてあって表現が難しくお客様に誤解を与えてしまう問題に近い事も起きてしまうケースもありますし、
ヘアカラーをする美容師側も光でのヘアカラーの見え方や、元々の髪の明るさがあるからできるヘアカラーだとの説明など、
誤解を与えない説明も求められるのではないでしょうか。
勿論テクニックや薬剤コントロールで表現できる部分もあるので勉強と努力で作るのも大切ですが、
お客様がNETの情報で誤解をしてここでやってくれない!!となってしまうのは違うかなと。
そもそも美容師さんにもデザインの得意不得意もありますし、難しい問題ですよね。
発信する側も気を付けなければいけないのではないでしょうか。
今回のまとめ
今回は講習で多い質問の白っぽいハイライトデザインの内容を書いていきました。
正直難しいデザインカラーです。新しいデザインですしまだ技術の方法が発展途上ですしテクニックも求められます。
日本では6%のオキシと黒髪の素材からどのように表現するかが求められますし、
これから若い世代でもSNSを見ていると流行は続きそうです。
少しでも参考にして頂けたら幸いです。