こんにちはTHEORDERの四宮です。
今回は前回に引き続きジマレイン酸を使用したパーマの処理剤がどのようにウェーブ形成に影響を及ぼすか検証するブログの2回目です。
(という事で完全に美容師さん向けのパーマ検証の記事になりますのでご了承下さい。)
一般の方でもパーマってこういう風にかかっているんだという視点ではお楽しみ頂けると思います。
パーマは奥が深い技術ですが、薬剤をここまで使いこなさなくても今のパーマ液は優秀ですし簡単にかけやすくなってます。
知識はあった方が良いですがこの髪にはこれを使用してと髪質診断でダメージレベルさえ把握すればそこまで不便なく使えますし。
美容師さんもこういったプレックス系の処理剤がまだ新しくカラーでは使われる美容室が増えましたが、
パーマではまだまだ未知の部分が多いですし、パーマの持続性やウェーブ形成では未知の部分が多いです。
(これはジマレイン酸やジカルボン酸などがまだ新しい成分の為。昔の処理剤での検証ではデーターは沢山ありますが、この処理剤での検証はまだまだ検証の余地があります。)
前回のブログでも述べた様に僕はパーマ自体に処理剤を使用しないタイプでしたが、
僕自身メーカーのパンフレットだけをうのみにせず自分でしっかりと検証して薬剤を選びたい人間なので、
いらないと決めつけず色々と検証しています。
(立場上オラプレックスアンバサダーとしての仕事もありますので。)
では本題に入っていきましょう。
(なおこの検証はあくまで検証であり薬事法の関係上この様な使い方を推奨するものではありません。)
システアミンとシステインのウェーブ形成にジマレイン酸がどのようにウェーブ形成に影響を及ぼすか
今回は前回に引き続きジマレイン酸を処理剤に使用した場合にウェーブ形成にどう影響を及ぼすかです。
前回はチオグリコール酸に対してジマレイン酸の処理剤がどのようにウェーブ形成に影響を及ぼすかを検証していきました。
今回は同じ検証のシステインとシステアミン編です。
前回は高スペックでしたが、今回はミドルスペックのシステインとシステアミンのパーマ液を中心に検証していきます。
(これは他のブログでも書きますが、高スペックの還元力の強いタイプではウェーブの変化が見られないのでミドルスペックで検証しています。あと基本的にはダメージ毛で使用するケースが多いと思うので、毛束の明るさも明るめの毛束で検証しています。)
検証方法は前回と一緒で、
-
還元剤とブロムさんに対してジマレイン酸の使用量を変え変化を見ていく
-
今回はシステインとシステアミンで変化を見ていく
-
放置時間は1液自然放置15分、2液5分を2回
-
2液はブロム酸を使用
-
毛束はミドルの明るさのブリーチを一度したものを使用
-
NO2の定着剤は使用しない
となっています。
それぞれのスペックを紹介していきます。
システアミンのスペック方が、
-
PH8.6
-
アルカリ度2.5
-
還元力3.0
-
システアミン濃度2.5
となっています。
システインのスペックは、
-
PH8.8
-
アルカリ度6.5
-
還元力6.0
となっています。
それぞれミドルスペックでバージン毛やしっかりかけるパーマと言うよりも少しダメージがある髪に使用するケースのパーマ液になっています。
ジマレイン酸のオラプレックスの使用方法は比率を60:1、60:2,配合無しで検証していきます。
これも前回と同じですね。
それぞれの毛束がどう変化するか見ていきます。
システアミンとシステインの検証結果
では結果を見ていきましょう。この様な仕上がりになりました。
2枚目は量を増やして比較したものになります。
今回の結果と感想としては、
-
システアミンはウェーブギャップはそこまで見られず。ただし量を増やすと減力する
-
使用量を倍に増やした60:2では両方ともウェーブが弱くなった
-
システインは60;1では未使用よりもウェーブが強まる結果になった。しかし量を増やすと減力する
と言った結果になりました。そう・・・ここからこのブログのパーマ検証はとてつもなく複雑になるのです・・・
システアミンの還元剤はミドルスペックの物に使用しても減力は見られず、
システインは逆にウェーブは強まります。このシステインの結果は意外でしたので他の毛束よりも本数を多くし検証していますが、
全て同じ結果になりました。
(基本パーマ検証はテンションや放置時間などの若干のミスなどがある場合が怖いので同じ毛束を数本検証しています。)
この結果がどうしてこのようになるかは最初のブログでお伝えしたように個人の美容師が電子顕微鏡なので調べる事が不可能なので、
髪の中で具体的にどの様な変化が起きているかはお伝え出来ませんが、
(パンレット通りの髪にどう作用しているかの説明はできますが、なぜシステインとの反応がこうなるかまではパンフレットにも記載されていません。)
ジマレイン酸はシステインの還元剤においては、一定の量ではウェーブの形成を強くするといった結果になりました。
システアミンは今回の結果でミドルスペックでもハイスペックの還元力が強い物でもウェーブギャップはほぼ見られませんでした。
ここからチオグリコール酸と同様シャンプーを繰り返しウェーブがどのように取れていくかを次回検証していきます。
(処理剤関係のパーマは最初はかかってもその後酸化を阻害しウェーブの持ちを悪くするケースがあるからです。)
そう・・・パーマの検証は本当に果てしないのです。
(処理剤を使用しないと最初に言ったのはこういった細かい部分がとても難しいからです。薬剤は簡単で誰でも使いやすいのが一番だと思ってます。その中で幅が広い薬剤が更に良い。)
そういったリスクをえて取らずパーマ後にジマレイン酸の処理剤を使用する選択肢もありだと感じてます。
(これを実際様々なサロンで使用しようと考えると、パーマのスペックごとに検証しないとパーマの誤差に繋がるからです。)
今の所高還元剤では問題なく使用できている検証結果ではありますが、まだまだ検証途中だという事もお伝えしておきます。
その後の毛束の経過も見ていきたいと思います。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はかなり面白い結果になったかなと思います。ただまだ僕自身検証途中であり、検証の結果を細かくUPしているだけです。
(まだ今回の結果が全てではないですし、まだこれで使用すれば大丈夫と言うわけでもありません。)
日本の美容師さんがジマレイン酸系のプレックスの処理剤を使用し始めてまだ1年位の歴史しかありません。
なのでまだまだ使い方などの検証をもっとする必要がありますし、検証していって可能性を広げていく事がデザインの幅が広がる発展です。
(立場的にこんなこと言ってはダメですが自分で検証して良いものしか信じないのでパンフレットに頼ってはプロとして駄目だと思ってます。あくまで剤をどう活かすかは美容師次第。)
今までの処理剤と違い成分なども未知の部分も多いですし、更にブログが読まれるようであれば連載していきます。
良かったら参考にしてみて下さいね。