こんにちはTHEORDERの四宮です。
オラプレックスアンバサダーとして日本で活動しております。
いつもはヘアカラーのブログが多いですが、今回はオラプレックスのパーマ編です。
(完全に美容師さん向けの専門的な記事になりますのであしからず。)
なおこのパーマ検証のブログは検証の量が莫大な為複数回に分け連載していく予定です。
話題のOLAPLEX(オラプレックス)はパーマに効くのか?様々な還元剤とケースで検証してみた
もう美容室でも定番のメニューになってきたこのプレックス系のトリートメントメニューですが、
去年から発売されたばかりなのでまだまだ研究段階で発展途中な部分も多いのが現状です。
今回はそんな研究テーマの1つであるパーマとolaplex(オラプレックス)との検証を載せていきます。
この内容はとにかく検証に時間がかかりパーマの成分との兼ね合いなどかなり難しい研究だったので、
慎重に様々な観点で検証していました。
オラプレックスの講習で講師としてお伝えする時も難しいテーマなので、
あくまでサロンでも簡単に取り組める成功率の高い方法でお伝えしていました。
(最初に断っておきますが日本の薬事法では還元剤に何かを混ぜたりする事は法律で禁止されています。)
ちなみにカラー剤を他の色とミックスする事も薬事法違反なのは意外に知られていません。
(基本は単品で使用する事が薬事法では決められているんですね。)
今回はあくまで実験にてブログに記載しておりますのでご了承下さい。
ちなみにかなりマニアックな内容なので美容師さんでも成分など苦手な方は難しい内容になっていますので、
専門的な話になりますが頑張ってググってくださいww
まずはパーマ剤で見ておきたい成分や基礎知識
まずパーマ研究でや検証で重要なのが、
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パーマのスペック全般
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PH
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アルカリ度
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アルカリ材の種類
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還元剤濃度
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還元剤種類
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還元剤のミックス比率
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2液の種類
などが重要になっています。パーマ液のスペックが細かく公表されるようになったのは実は最近の話です。
(パーマの成分の配合などは美容メーカーにとって社外秘の様なものですし、正しく理解していないと誤解をうんでしまいます。)
最近の若い美容師さんにはスペックがメーカーさんから言えば教えてくれるのは当たり前ですが、
昔はそうではなかったんですね。
単純に薬剤が強いとか弱いというのは、先ほど説明した成分が複雑に絡み合い調整されています。
その為PHが高いからと言って還元力が強いとは言えませんし、
PHが高くなくてもスピエラなどのパーマ剤はパーマはかかります。
その為成分を理解しなければパーマの検証は難しいのです。
アルカリ剤の種類など還元剤との相性は科学の世界になってきますので、普通の美容師では余りにもマニアックで難しい部分です。
そこまで公表もされていないパーマ液もありますし学校の教科書に載っていない専門的な部分だという事を理解して頂けたらと思います。
僕は美容師なので検証は成分も重視していますが、率直に毛束がどう変化しどのようにパーマがかかるかと言う部分で検証しました。
化学式の部分までは顕微鏡や薬品を専門に扱う研究者しか調べる事ができないからです。
(いくら結果を見て髪の変化を推測できたとしても一般の美容師には電子顕微鏡などで調べるすべもないからです。)
その為知識はあったとしても薬品を使用するパーマの検証は様々な物が複雑に絡み合うので、
処理剤が還元に対してどのように作用するかはとても複雑だからです。処理剤が還元剤と反応し結合を邪魔したりする事もありますし。
なのであくまで美容師目線で成分の理解をし仕上がりを見ての検証していきました。
プレックス系のオラプレックスのパーマで今回検証した事
今回の検証はジマレイン酸の処理剤だけでなくマレイン酸などの市場に多く出回っている処理剤でも意外に曖昧になっている所です。
(未知な部分も多く検証に多くの知識と時間や労力がかかる為。)
その為このプレックス系の処理剤を使われている方が今回の研究でパーマへの取り組みに参考にして頂けたらなと思います。
ちなみにオラプレックスはジマレイン酸の主成分の処理剤です。
(マレイン酸と似ている扱いを受けますが実際の成分や性能などは違うものになっておます。)
今回検証していったのが、
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還元剤に対して処理剤の量でウェーブ形成に変化を与えるか
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還元剤の種類に対して処理剤がどうウェーブ形成に変化を与えるか
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還元剤の強さに対してどのように処理剤が影響を与えるか
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1液、2液それぞれ処理剤を使用した場合にどのようにウェーブ形成に変化を与えるか
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2液の過水、ブロム、アルカリブロムなどに対して処理剤を使用した場合の違い
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オラプレックスのNO2(処理剤の定着剤)がどのようにウェーブ形成に影響を与えるか
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後処理でパーマに使用した場合ウェーブ形成にどのような影響を与えるか
と言った視点で検証していきました。
(まだ様々な検証を続けていますがこの時点でかなりの時間と毛束を使いました。その中でもある程度推測できたものを発表しています。)
とにかく検証する量が多くパーマはヘアカラーよりも検証に多くの細かい成分のスペックが関わってくるので大変でした。
(とにかくパーマ剤のメーカーも多く還元剤も様々。還元剤1つにしても同じチオでも表記はチオでも同じチオではないからです。)
たとえで言うと薬事法の表記ではチオグリコール酸はどこのメーカーのチオでも全てチオグリコール酸と表記されます。
同じチオでも生産しているメーカーが違えば性質は若干変わってきます。その部分を考慮し見て頂ければと思います。
還元剤に対して処理剤の量でウェーブ形成に変化を与えるか
今回紹介していくのはパーマ液に対して使用量の変化でどのようにウェーブ形成に変化するかです。
検証はパーマ用の毛束を使用し、ダメージに対してどう効果がでるかを検証する為ブリーチを一回ほどした毛束で検証していきます。
チオグリコール酸の還元力の強い物を使用していきます。
スペックとしては、
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PH 9.2
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アルカリ度5.3
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還元力7.5
となっています。いわゆる高還元力のチオです。
検証方法としては、
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還元剤に対してジマレイン酸の使用量を変え変化を見ていく
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今回はチオグリコール酸で変化を見ていく
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放置時間は1液自然放置15分、2液5分を2回
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2液は過水を使用
となっています。
(細かい処理剤の使用方法は薬事法の関係でここでは省きます。)
比率を60:1、60:2,配合無しで検証していきます。
(他の処理剤と違い使用量が極端に少ないのが特徴です。処理剤を使用していない物と比較しながら検証していくのがメインになります。)
結果としてはこの様になりました。
かけたての状態からではそこまで変化は見られませんでした。
(強い還元力の薬剤では今までの処理剤でもそこまでウェーブ形成に変化をもたらさなかったので同じような結果になりました。)
ただここからシャンプーを繰り返しウェーブの変化を見ていく事も今後検証していきます。
ウェーブ形成の結果としては、
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今回の検証ではウェーブ形成に変化は見られなかった
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考えとしては高還元力でこの使用量では影響を与えるとは考えにくい
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同じチオでも還元力が弱くなっているものでどう変化するか検証する
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使用した量では変化は見られなかったので、これも他の還元剤で使用量の変化を見る必要がある
と言った感じの推測になりました。一回の検証でどんどん検証方法が増えていきます・・・
(講習では様々なこういった検証をお伝えしていきます。)
このブログ人気だと長くなりそうですが、マニアックなので人気なければ消えるかもw
今回のまとめ
今回の連載はここまでです。
(この検証の内容は量が多い為少しづつ小出しにブログにしていきます。)
様々なプレックス系の処理剤で検証しましたが、このパーマに減力がなるべく少なく使用できるのもオラプレックスの良い所です。
(これは使用量の少なさが影響しています。)
仕上がりも確かにかなり手触りが良くなり艶感が出ます。今検証しているのはここからシャンプーを繰り返しどのようにウェーブが取れていくかです。
(かかり上がりは良くても還元や参加を邪魔しパーマが取れやすくなるという事もあるからです。)
最初にお伝えしたようにパーマの検証は多くの時間と検証の難しさがあります。
(カラーの検証はそういう観点から見るとまだあるカラー剤を色を出すだけなので楽だともいえます。)
美容師の方は良かったら参考にしてみて下さい。